今年の入試で気づいたこと

モリオネットにだけ書きます。

今年は、昨年京都大学などで起こった、携帯電話を利用したカンニングに対して、さまざまな対応措置が取られました。
まずは、新聞にもあるとおり、センター試験時の監督要領の中に、1ページを割いて携帯電話への注意事項がありました。
当然、各大学で実施する前期入試(2月25日)の監督要領にも、ほぼ1ページを使って注意事項がありました。(各科目は全2ページなのに・・・)

今までは、アラームの設定ができる時計や携帯電話は、設定を解除して、携帯は電源を切ってかばんの中に入れなさい、というだけでした。
ここが、少し厳密になりました。

流れは以下の通りです。

0)時計や携帯電話の音が鳴ると、他の受験生の迷惑になることを伝えます。

1)まず、音の出る時計は、アラーム等の設定を切らせます。
高校生はけっこう多機能の時計を持っていますからね。
でも、計時機能のみの時計しか机の上に置いてはいけない、と事前に指示をしています。
(無理な場合もあるでしょうが、時計は試験室にあるし、百円均一の店にも売ってますし、監督者に時間を尋ねることも可能です)

2)携帯電話を机の上に出させます。
出していない受験生もいます。はて? ←ここが肝なのに。

3)アラームや、音の出る設定はすべて切らせます。(切るまで待つ)
・これができない受験生の携帯電話は、受験番号を書いた札を付けて監督者が預かり、廊下にいる担当者に渡して保管してもらいます。

※余談ですが、監督者である僕の携帯はアラームを消して電源を切って試験場本部に置いています。5分くらいの休憩時間にもチェックしたいので。(爆)

4)電源を切らせます。
電源の切り方を知らない人はいますか?と、監督要領にはない問いかけをしたりして、受験生にくすっと笑われました。(予想通り(笑))

5)携帯電話をカバンの中に入れ、座席の下に置かせます。

6)途中で携帯が鳴った場合には、本人の了解を得ないで監督者がカバンごと廊下に出し、担当者に渡すことを了解してもらいます。(受験生心得にも書いてあります)それは、試験終了時に、試験場本部にまで本人が取りに行かなければなりません。たぶん、こってりと絞られます。

これでだいたい終わりですが、各自机の上に一回出させるというのが、今回のセンター試験からも付け加えられました。(あまり効果はないと思いますが、うっかりミスを防ぐことはできます)


その他、私が監督をした教室の机は、小中高と同じ、あの一人用の机なのですが、引き出し(物入れ)が無いのです。。。つまり天板だけ。
これによって物入れの陰と自分の体の陰で何かを操作することが困難になっているように思います。これは監督者にとって非常にありがたいことでした。
大学生の期末テストのときにも、ここにカンニング用の紙が置かれていることがありますから、これは助かりますし、そもそも共用の机ですから、大学の授業中には物入れは必要ありませんので、今まであったことが不思議です。それに、この物入れは、ゴミ箱として使われ、鼻をかんだあとのティッシュペーパーとか、食べ残しが入ったままの弁当殻、トイレから取って来たトイレットペーパーなどがたくさん入っていたのです。
また、最近の授業では、ワークショップ形式などを取り入れているので、すぐに机が移動できるのも助かっています。そのためか、教育学部の教室は、どんどんこの机に切り替わっているように思います。


さて、その他、地震関連の注意事項や対応方法が変わりました。
今年も地震のときには落ち着いて監督者の指示に従うことを伝えましたが、監督者への指示が非常に細かくなっています。試験場本部ではなく、監督者の判断で試験を止めることもできますが、そのときは、再開方法などが厳密に決められていました。


他には、理科の問題や答案用紙の扱い方の指示、また、リスニングテストのやり方や緊急時の対応などが非常に細かくなっていました。


そして、最後は受験生のことが気になりました。

なんと、受験番号を書かないで問題を解いて行くのです。
今回私が理科の監督をした部屋は8人が受験。そのうち2人がいつまでも書いてくれませんでした。

監督者は、「解答はじめ」のあとに、「すべての解答用紙に受験番号を記入しなさい」と指示します。そして、理科の場合は「各教科の問題の最初の注意事項も読みなさい」と指示します。
なのに全然。。。

(過去、注意事項を読まなかったために採点が無効になった受験生がいます。今は僕の発案で、答案用紙にも注意事項を書いています。ふう。。。)

試験終了前10分にも、「試験はあと10分で終了します」「もう一度受験番号が記入されているか確認しなさい」との指示を出します。
件の受験生たちは、それでも無反応でした。

とうとう、試験終了5分前に、個別に注意しに行きました。
もちろん、試験の途中でも、見つけたらその場で注意して書かせても良いのですが、せっかく集中しているのを止めるのも気の毒です。
ただし、こうやって監督者に見つけてもらえなければ、試験終了時には突然「鉛筆を置いて問題冊子を閉じなさい。これに違反した人は不正行為とみなされます」と、終わらせられてしまうのです。もうそれ以降、前期試験の場合は、受験番号を書くことは許されません。(センター試験では、受験番号と選択科目へのマークだけ、監督者の監視のもと、許されます)

高校ではどのように受験指導しているのでしょうか。


まあ、このように、どんどん監督者の仕事が細かくなっていくのですが、大学の教員という人たちに、監督要領通りにしゃべれ、とか、物理の受験生がいなくても物理の問題訂正(2個もある)を黒板に板書しろ、という、「マニュアル通りに動く」こと、そして、90分の試験時間中ずっと黙ってろ、ということが要求されます。
これは、しゃべりと文言のチェックに長けている教員には地獄のような仕事です。
ちなみに私は昨夜、8時間寝ました。1年ぶりです。(爆)

はあ。。。

今日は娘のアッシー君のあと、これを打ったら期末テストの採点をして、お昼ご飯はかみさんと一緒に利衛門あたりで昼食を取り、2時過ぎに娘を学校からバイト先に運んで、また採点です。
1月2月は、ずっと家族を放っ散らかしていましたから。
(家や大学にいないときには、沿岸か酒飲みしてる、と言われておりまする・・・)