もりおか環境映画シアター

盛岡市がモーターボート競走施行者協議会の助成事業を使ってやる映画、ということらしい。7時からの部に行きましたので、「KIZUKI」も「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」も見られませんでした。でも、期待していたのは、こっちです。ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2010ストップ温暖化部門上映作品13作品一挙上映です。もうやらないと思うので、僕の感想を交えながら、まとめちゃおうと思います。1)Dark Clouds/暗黒の雲イギリス、1分45秒。CGアニメ。雲が暗い。雨が落ちてくる。その雨が花びらに当たると、花びらは砕けて散る。そこにテントウムシが雨をよけながら飛んでいる。が、ついにその雨に当たって、テントウムシも砕け散る。・酸性雨の怖さを伝える作品だろうと思います。2)The Bill/お勘定ドイツ、4分25秒バーで3人の男たちがビールを飲みながら、最近行ったバカンスの話をしている。一人は、大きな車に乗って来ていて、アフリカで立派なホテルに泊まり、砂漠でゴルフをした話。一人は、息子を連れて車で北欧に39時間かけて旅行した話。一人は、それを聞きながら、どうして家にいないんだ、自転車を使わないんだ、と言っている。やがてお勘定が。それは、その旅行に対して、飛行機や車が使ったCO2で換算されて請求されている。「誰が払うんだ?」3人はもめて、結局、後ろに座ってコーヒーを分け合って飲んでいる2人連れを指差して言う。「あいつらが払う」2人連れは、アフリカ(途上国)の人々であった。・シリアス〜〜〜。一番気に入りました。さすがドイツ。と思ったら、これが環境大臣賞でした。これはもう一回見てもいいなあ。ただし、早口のドイツ語で、英語の字幕ほどにも日本語の字幕が内容を示していないので、ちょっと残念でした。3)Wasting Earth/消費の法則ブラジル、5分44秒。アニメ。人が緑の線の上に乗っている。その上で、食べ物、車、冷蔵庫などを使う。そのたびに、緑の線は短くなっていく。つまり、自分が立っている地球の恵をどんどん使っていっているのだ。軽やかなバックグラウンドミュージックは、consumptionと歌う。(ただしポルトガル語)そしてついに、周りの人たちは、自分が立つ場所もなくなり、どんどん落ちて消えていく。そこで気づいた本人は、自分の地面に引っかかっている人のために、車を自転車に変え、テレビの電源を切り、食べ物を分かち合う。そうすることで、少しずつ自分の足元が広くなっていく。まあ、フットプリントと考えてもいいけれど、消費によって人類は自分の首を絞めていることをわかりやすく見せている。・これもけっこう良品だと思います。4)Yakiniku/焼き肉日本、1分44秒。真ん中にホットプレートがあり、そこに肉を置いて焼き始める。が、その形は大陸であり、地球を表している。そしてそれが焼かれ、最後に南極の位置にラードが置かれるが、それはすぐに溶ける。そして、お肉が焦げちゃう〜。と。・まあ。ね。日本人は、「気候変動」じゃなくて「温暖化」としてしかとらえていないからね。。。5)Garbage Angels/廃棄物たちは永遠にカナダ、5分30秒。アニメ半分壊れて捨てられたギターと掃除機を中心に、心に傷を負った廃棄物たちが荒野で争ったり連れ立ったり。最後はボロボロに壊れたギターが星座になる。・ちょっと感傷的な部分を強調しすぎていると感じました。数々の賞を受賞していることにびっくり。6)The Bedwarmers/ベッドあたためますオーストラリア、7分。コメディ自分の体でベッドを温める商売をしている人がいる。(もちろん、嘘ですよ)依頼のあった家に行き、ベッド上が30℃にあたたまるまでベッドの上で寝転んで体を動かす。しかし、先輩と後輩がいて、先輩は常にベッドを温めるのがうまい。が、長女の部屋は、なんと、布団。布団を温めたことのない先輩は後輩にそれをたくす。そして最後の一つはウォーターベッド。これは難物なので、二人で温めるが、疲れ果て、倒れた先輩の体には電気毛布が巻かれていた。そのことで先輩は警察に捕まってしょっ引かれていく。が、この事業は業績を伸ばし、最後は多角経営でベッドクーラーという職業も始めたところで終わり。・ま、遊んでみたのでしょうね。。。7)Warning/警告中国、5分40秒。ベッドで酸素吸入器を当てられた男性。夢の中で街の中にいる自分を見ているが、実はそれと自分の状態(病院のベッドに横たわっている)が重なり、現実の社会がいかに人間を痛めつけているのか訴える作品。・ホラーになっていくのかと思ったら、最後は病室の向こうに海が出てきて終わり。8)Going Green/企業モットーアメリカ、1分50秒。コメディある企業の重役会議。女性が、エコな会社になる方法は何か、と問いかけるが、誰も答えられない。そこで誰かが一言口にすると、口々にエコ活動(個人的な活動でしょうが)を叫び始める。が、女性が一言。「エコ会社のロゴを作ってそれを広告に使えばいいのです」と。・うーん。一所懸命ISO14001の認証を取ろうとしているうちの大学も、結局はそんなものなのかもしれない。痛烈で、大好きな作品でした。9)RIVER/リバー日本、10分。ドキュメンタリー沖縄の、あるコンクリート三面張りの川が舞台。川の真ん中にできた草の中州に鳥が巣を作る。オスが巣の材料を運んできて、メスが卵を温める。が、台風が来て、巣が流され、卵も流失してしまう。が、鳥は飽きずに卵を産んで温める。が、また台風が来て流される。鳥たちはそれを毎年続けている。・人間って身勝手に自然を変えてしまうなあ、と感じ、その陰で野生動物は必死で生きているのだなあ、と、人間の都合の良い開発にあらためて疑問を持ちました。10)The Green Film/エコ映画製作カナダ、5分56秒。エコな映画を作る監督。何から何までエコにするために、数々の制限を現場にかけていく。が、女優が「なぜデジタルじゃなくてフィルムなのか」と問う。ガンガン、監督の矛盾を突いて行く。監督は答える。が、最後には、全部リサイクルするからいいのだ。と。・なーんだあ、監督もひどい、という感想かな。11)722/722日本、4分20秒。7月22日の皆既日食奄美大島の海岸で見るたくさんの人々。日食が始まると声を出して感動する。そして、それに圧倒される人々の声を収録。・僕は別になんとも思わないのですが。。。12)When the Day Comes/その日が来るタイ、2分31秒。アニメ絵で何かを表しているのだが、僕には全然。13)BABEL/バベルフランス、16分。CG田舎育ちの男女がいる。あるとき、女性に迎えの車が来て、女性は都会へ向かう。その様は、まさに都会の女性という感じ。やがて大きなビルで携帯を使う男(待ち合わせ相手?)と会う。いっぽう、男性は列車に乗り、都会へ行く。が、工事現場で働くのみ。周りの建物は倒れていく。そんな真ん中にバベルの塔が地面から突き出してくる。そこで男性が見たものは、都会のビルの一室で、男と入浴しようとする女。同じ田舎で生まれ、都会とその周辺のスラムで活動する二人。・そうか。舞台は中国だけど、タッチはフランスだよなー。これもなかなか秀逸でした。ということで、帰宅とは反対方向に自転車を走らせてまで見て、全体として1時間13分という時間を損した感じではありました。パンフレットの市長の言葉のレベルの低さ。よく東京と盛岡を大きな自家用車で往復していたり、毎朝松園から御子田町の朝市に車を走らせている県立大の先生がエコ作品であるこれらの映画にコメントを書いているところなど、まったく片腹痛いイベントでありました。ただ、ドイツの作品はシニカルでよかったと思います。