ザゼンソウ

編集して講義の様子を載せました。 講師は、岩手大学農学部附属寒冷バイオフロンティア研究センター所長の伊藤菊一先生です。  ーーーー  そろそろ岩手や秋田のあちこちで、ザゼンソウが咲いていますよね。 今日は、岩手大学ミュージアムのボランティアさんの研修会を企画しまして、ザゼンソウのことを勉強してきました。 ザゼンソウは、サトイモ科の植物。でも、芋は作りません。その中の、ミズバショウ属という仲間です。 でも、こいつは発熱するのです。 なんだ、人間みたいだ、と思うでしょ?どうやら、発熱遺伝子というのがあるらしいです。しかも、それはホヤにもあるんですって。ただし、ホヤはそれを使っていませんよね。 ザゼンソウは、それを使って何をしているか。いまだにわかりません。 ただ、めしべだけが外に出ているときには、ずっと23℃くらいになるように、夜も昼も調節しているのですが、その後、おしべが出る頃になると、そんなでもない。そして、他の個体から花粉が飛んで来てめしべにくっついたたときには、23℃というのは最高に良い条件らしいです。 つまり、ザゼンソウの花粉は、この寒い時期に、飛んでいった先に同じザゼンソウのめしべがあれば、そこで働いて受精して種をつける準備をする、というわけです。  ああ、なんと巧妙な仕組みなんでしょう。 ホヤで考えれば、自他の区別を付けますから、そういうことはないのですが、そのシステムがないザゼンソウは、こうやって自他を区別しているのですね。 驚いたことに、このアルゴリズムを使って、省エネの温度制御システムを考えだし、2月にその機械が発売されたのだそうです。 エアコンの温度制御も、これでエネルギーをそんなに使わないでできるとか。 へえーーーー、な、一日でした。