似て非なるもの(キムチ編)

毎年、一回はキムチを作ります。
基本的には韓国の正統な作り方で、白菜の葉っぱの間にたれ(ヤンニョム)を摺り込んで丸めて漬ける方法です。

今年は初めて、最初から一口大に切った白菜を漬けてみました。

結果は、まあ、丸めて漬けても結局は切って食べるので、このほうが楽かな、と。

ただ今回は、かつお節と市販のイカの塩辛を、食べるときに混ぜてみました。
なるほど、これは日本人向けの味になるな、と思った次第。
自分でも、おいしいと感じます。
しかも、一袋を開けたあとからでも塩辛が漬かっていきます。


そして、もう一つ。
初めて、市販のキムチの素で漬けてみたのです。
漬け方は、瓶に書いてあるとおり。

数日経ったので、あけてみました。

なんと驚いたことに、白菜も大根も、元の形のままです。

本来、というか、原則、というか、韓国では乳酸菌発酵していないものはキムチと呼んではいけないことになっています。
が、これは発酵していません。
韓国政府の基準ではキムチとは言えません。
が、日本で流通しているのはこのタイプが多いですし、この中間(たぶん水飴でそれらしく仕上げている)のものもあって、それらがほとんどを占めています。
なので僕は、市販のキムチは韓国製のキムチしか買っていません。


と、ここまで来て、やっと気づいたことがあります。

キムチの素って、本物なら発酵してガスを発生し、とても瓶なんかに入れては売れないよな、ということです。
そうなのです。
きっとこれは、乳酸菌も殺してしまったキムチの素なのです。

これに白菜や大根を入れても、発酵はほとんどしないでしょう。


味の違いは歴然としています。
キムチの素を使ったほうは、白菜がしゃきしゃきしていて、甘くて化学調味料だらけです。
僕が作ったほうは、いろいろなものを入れているせいもあり、やっぱり生物が作ったスローな料理、という感じがします。

本来、食べ物って、自分の家で作るものなのですよね。

いつから変わってしまい、おいしくないものをおいしいと感じるようになってしまったのでしょうか。


ということで、この白菜漬けを、正統派のたれの中に入れて漬けてみようと思います。
さて、どうなりますやら。。。